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2007年12月31日 (月)

267. まあそんなんでいいんじゃないか・・

産科医になって長い間
お産ほど、非効率なプロセスはないと感じ
いかに効率よくお産を扱えるかを考え、実践してきたけれど
結局、自分の中ではうまくいかなかったな

どうしようもなくなって もう破れかぶれで
そんな非効率さをそのまま受けとめてみたら
人が持っている力を感じることができたよ

自分もお役にたてることもあるのかなって思えて
ちょっとだけ、楽になれたよ

不思議だよね

まあ、生まれてくることだけじゃなく
生きていくこと
恋をすること
そして死んでゆくことさえも
すべて効率なんてぜんぜんよくないんだから
それもあたりまえかな

寄り道をしながらあちらこちらと漂うから
気づくこともあるんだろうしね

まあそんなんでいいんじゃないか・・・New_13

いい年を迎えてください
ありがと

2007年最後の日に
竹内 正人

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2007年12月18日 (火)

266. 丁寧にかかわっていくなかで、支えようとしている側が支えられていることに気づく

スズキNさん こんにちは

 息子の誕生死から4年。先日、お世話になった助産師のKさんが、息子に会いに来てくださいました。今でも、私たちのことを大切に思ってくださっているということが、ありがたくて、この出会いは私たち夫婦にとって、本当に宝物だと思いました。

4年ですか。
そして、Kさんが会いに来てくれた

息子がいつも私たちを守ってくれているように感じ、話しかければ、写真の中の息子は笑ったり、だだをこねたり、眠ったりしていて、でもそんな風に思えることも、今では夫婦の間でさえ、なかなか話せなくなりました

そうでしたか・・・

何年経っても、悲しくていいんですよね?

もちろん、いいんですよ!

涙が急に出ることも、もちろんだんだん少なくなりましたが、今でも泣きたいと思うときがあります。Kさんは、今でも私たちを支えてくれていて、ますます素敵な助産師さんになっていました。

息子さんとの出会い、そして皆さんとのこれまでの時間が、
彼女をますます素敵にさせてくれたんでしょうね。
一緒に働いていたものとして、すごくうれしいですし、ちょっと誇りに思います。
彼女とまた、会う機会があれば・・いろいろ聞いてみないな~

竹内先生、ありがとう。今更ながらですが、本当に…

4年たって、こういう言葉をいただける。
こちらも”じ~ん”ときます。
「丁寧にかかわっていくなかで、支えようとしている側が支えられていることに気づく」

産科医をやってきてよかったし、New_14
これからも産科医をやっていける!

こちらこそ、ありがとうございました

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2007年12月14日 (金)

265. 夫婦の染色体検査

かなりやさん こんにちは

一人の息子さんを思うと、夫婦の染色体検査が
できないというのはなぜですか?
私だったらむしろ、
知っておくべきだと思うのですが?
違うかな〜?

そうですよね
染色体検査はやるべきという方と、できないという方がいます。

1年前に彼女と話したときの、ひとつの考え方をお話ししますね。

1人のお子さんを授かったあとに、3回の流産があった。
もし、それが夫婦の染色体異常からくるのであれば、
(可能性としては低いと思うけど)
転座型の可能性があり、夫婦のどちらかが転座遺伝子をもっていて、
何回かの妊娠に1回は、正常の染色体となり
赤ちゃんは生きて生まれてこれるけど、
そうでない場合は、赤ちゃんはきてくれても、
おなかのなかで、その命を全うすることになります。

一人息子さんは、生まれてきてくれたので、そんなに心配はないと思うけど、
夫婦のどちらかが、その転座遺伝子を持っているとすれば、
それが、わかったときの、
どちらかが原因であることがわかったときの
夫婦の関係、家族の関係は
これまでと同じにというわけにはいきません。

もちろん、それを覚悟の上で調べる、というのはありです。

でも、一人息子さんのことを考えると、
夫婦で、家族でぎくしゃくしてしまうのはどうかなということから、
染色体検査はしないで、という選択も生まれてくる。

日本の場合は、家族で、母子でといった全体の関係性の中で、
ものごとをとらえていくことが多いので、
すべて、家族で受け入れていこうという考え方が、自然にでてきます。

これが、個の意識が進んでいる国、
たとえば、アメリカや、先に出張で訪問したイスラエルでは
なぜ、調べないのか?と、いう風になることのほうが一般的だと思います。
医学、科学でものごとを見ていく場合も、
調べましょう、となることでしょう。

この選択は、
これまでの生きてきた時間や環境などとも関係していて、
どちらがよくて、という問題ではありません。

かなりやさんは間違ってないですよ。
そして、tomokoさんもまた、間違っていない。

だって、「人は、それぞれ違っていていい」んですから。
Photo
いろいろな思いもっているかたと関わる現場の私たちには
自分(たち)の考え方は、しっかりと持っていても、
その考えを基準とせずに、
どのような相手の考えや、あり方もまずは受容する、受容できる、
そして、自分たちの考え方とは別に、
事実は正確に、誠意をもって伝わるように、伝えることが
大切なんだろうと感じています

もし、私が、tomokoさんの夫であれば・・・・・
やはり、染色体検査はしないと思います。

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2007年12月13日 (木)

264. 「いのち」を生み出す安易さと重さ

竹内先生にはクリニックにて約1年前にカウンセリングにて面会させていただいたものです。

tomokoさんこんばんは。あれからもう1年になるのですね。

4年前から二人目が欲しいと思い、当たり前にできるものとして何度もトライをし、先生いわくたとえ8週でも赤ちゃんは自分のところに3人来てくれた、でもこの世に生まれることはできなかったのです。

3人は確かに来てくれた。でも、生きて生まれてくれることはなかった・・・

一人の息子の将来を考えると夫婦の染色体検査はしていないのですが、

もし、自分が赤ちゃんを生き抜かせることができない体であれば、簡単に新しい「いのち」を生み出してはいけないのではないかと、思ってしまうのです。
まさに「いのち」を生み出す安易さと重さです。

そうでしたか・・・ 「安易さと重さ」  そうですよね。 

結局先生とお会いした頃と心の痛みは変わっていないのかな・・と書きながら思いました。
「いのち」の誕生は奇跡的でこの世に生まれるべくして生まれてくるのですね。最後まで生き抜けなかった赤ちゃんたちも何かを教えてくれているのは確かです。でもこの世のすばらしさを一緒に楽しめる家族が欲しいものです。
先生もし何か今の自分にお言葉をいただけるのでしたら、うれしく思います。

tomokoさんのお話しを伺わせていただいたときのことを思い、
1年前のその時の気持ちに戻って、何度も繰り返して読ませていただきました。

たしかに、tomokoさんの心の痛みや苦しみは変わっていないのかもしれません。
むしろ、より、苦しくなっているのかもしれません。
でも、この1年という時間を、tomokoさんはtomokoさんなりに、
その苦しみと向き合い、付き合ってきたきた。

そして、そのままのtomokoさんを、こうして伝えてくれました。
やっぱり、あの時とは違ったtomokoさんがそこにいる、と私には感じました。

この世のすばらしさを一緒に楽しめる家族が欲しいものです。Photo_3

生まれてきてくれるといいな・・

こうすればいいよなんて、とてもお伝えできないけど、
こうして教えてくれたこと、感謝しています。
ありがとう

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2007年12月 7日 (金)

263. 妊娠中のインフルエンザ

れんママさん こんばんは

春に流産? して、2ヶ月近く体調を崩してましたが・・・。
もしかしたら???赤ちゃんがきてくれたかも知れません。
基礎体温が高く、生理予定日ですが、まだ来てないし。
まだまだ不安で、毎日どきどきしてます。

その後、そうだったんですか。
でも、またきてくれたかもしれないんですね。
どきどきしますね。

インフルエンザの予防注射をする予定だったのですが、
もし、妊娠反応が+だったら、やめたほうがいいのでしょうか??
「大丈夫」と書いてあるサイトもあるし、"妊娠初期”は。流産しやすいから
やめるべきと書いてあるサイトもあるし・・・。先生はどういう考えですか?
妊娠中にインフルエンザにかかったら、どうなるのですか?
薬を飲まずにインフルエンザと戦わなければいけないものですか???
先生のアドバイスがいただけたらと思います。

インフルエンザのワクチンは「生ワクチン」ではなく、「不活化ワクチン」なので、
赤ちゃんに影響することはまずは考えられないので、
私は妊娠中でも、特に打とうかなと考えていた方は、
接種したほうがいいという考えです。

ただ、できれば、念のため胎盤が完成する、妊娠16週(5ヶ月)以降が望ましでしょう。
れんママさんの場合は、まだかなりの初期だと思うので、今シーズンはどうかな・・・
これまでの経過も考慮すると、今回は接種をせず、できる範囲で予防でということの
ほうがいいと思います。もし、インフルエンザにかかったとしても、Photo_2
赤ちゃんに直接影響する可能性はまずないと思いますが、
母体が重症化する可能性があるので、
その時の症状と週数によって、タミフル(薬)を服用するかどうかは、
主治医に相談してください。

おめでと

 

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2007年12月 6日 (木)

262. 私にはあなたを安心させてあげることはできないけれど・・・

ゆなママさんこんばんは

胎児母体間輸血症候群だったんですね・・・

主人が到着して4時間後に亡くなりました。きっとお父さんに会いたかったのだと思っています。最期は私が抱っこして看取りました。亡くなった後、看護師さんに呼ばれました。「沐浴をお父さんとお母さんにしてもらった方が赤ちゃんも喜ぶと思うので…」といっていただけました。これも今では思い出の一つです。看護師長さんが「赤ちゃん抱っこさせてね」と来てくださったのも嬉しかったです。「今日は寒いからね、ちゃんと暖かくしないとね。」とおくるみを直してもらったのは涙が出るくらい嬉しかったです。
外の世界では半日しか生きることができなかったけど、お腹の中で過ごした9ヶ月間は何ものにも代えられない宝物。「私をお母さんに選んでくれてありがとう」です

そうでしたか・・・

先日、息子の一回忌を迎えて少し心の中でいろんなことが整理できてきました。でも、まだ息子の死に納得ができたわけではありません。

そうですよね

「胎児母体間輸血症候群」は原因不明なことが多いと言われました。一度この狂態の赤ちゃんを出産した人で二回目も胎児母体間輸血症候群を起こした症例はないと言われましたが、原因不明なのにそう言いきれるのかな?と不安に思います。もしかしたら次の出産でも子供を亡くしてしまうのではないか?と考えてしまいます。

「胎児母体間輸血症候群」の頻度はかなり低いので、
繰り返すことは、まずないでしょう。
ただ、「まずない」を1度経験されているので、
「次回もまずない」を受け入れられないのは自然な気持ちだと思います。
「二回目に起こした症例はない」というのも、確かに、あまり安心できない言葉ですよね。

遺伝的なものでもないといわれましたが、妊娠するにあたり
実施した方が良い検査とかあるのでしょうか?

何かあれば、安心でしょうが、予め実施しておく検査はありません。

そして、未だにこの病気の起こる過程というか、胎盤と赤ちゃんとの関係がどうなって起こっているのかがわかりません。良ければ教えてください。お願いします。

 ごめんなさい、残念ながらうまく説明することはできません。
胎盤循環とは太い1本の臍帯静脈を通じて赤ちゃんに血液が供給され、
赤ちゃんのカラダを循環した後、細い2本の臍帯動脈から胎盤へともどっていく。

通常は、供給、すなわち母体→胎盤→赤ちゃん優位なのですが、
何らかの理由で(たとえばお母さんがRhマイナスで、子どもがRhプラスの場合など)、
大変稀なことですが、胎児側から、大量の血液が胎盤を通して母親の血液内に
流入することがあり。 母体←胎盤←赤ちゃん となります。
ある程度の流入であれば、問題はなく、これは頻繁におこっているようですが、
短時間に大量におこると、急激に貧血がすすみ、問題になってくる。
そして、こうした大量の移動がおこるのは、陣痛が、キッカケになることが多いので、
重症のケースは分娩期に見られることが多いのです。

残念ながら、これでは、ゆなママさんを安心させることはできませんね。Photo
ごめんない、私にはあなたを安心させてあげることはできません。
でも、ゆなママさんは、納得も、安心もしなくていいのかもしれません。
せめて、こんどお子さんを授かった時には、
ゆなママさんを、そのまま受け入れてくれるスタッフに出会ってほしいし、
ご主人、ご家族などあなたの周囲もそうあってほしい。

ココロよりお祈りしています。

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